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泌尿器科

ページの目次

医師紹介


診療部長

高田 三喜  Sanki Takada

専門分野 泌尿器科一般
専門医・認定医 日本泌尿器学会専門医
日本泌尿器学会指導医


診療副部長

甲斐 文丈  Fumitake Kai

専門分野 泌尿器科一般
専門医・認定医 日本泌尿器学会専門医
日本泌尿器学会指導医


医員

渡邊 恭平  Kyohei Watanabe

専門分野 泌尿器科一般
専門医・認定医

当院泌尿器科の特徴

 日本はますます高齢化社会になり、泌尿器の病気で悩まれる方もますます増えていくと思います。泌尿器科は、後腹膜臓器を扱う外科系の一領域として重要な役割を担っています。当院泌尿器科は、おもに泌尿器がん(腎がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がん)はもちろん、前立腺肥大症などの排尿障害、また尿路結石や腎不全などの急性期疾患、副腎腫瘍の診療に力を入れています。
 近年の静岡県内における泌尿器科勤務医の減少のあおりをうけて、当院泌尿器科は今年度から2名の専門医資格をもつ常勤医と浜松医科大学の非常勤医師による体制で診療を行います。このような中、今まで以上に質の高い医療をすべての患者様に提供し、今後も浜松市の泌尿器科疾患の診療拠点となるべく、以下のことを日々心がけて診療にあたっていきたいと思います。

  • 派遣大学である浜松医科大学との連携を密に行いながら、最新の知見をふまえて標準的な治療やガイドラインに準じた医療を実践します。
  • クリニカルパスを積極的に導入して医療者と患者様の治療経過の共有、可視化に努めます。
  • 医師だけでなく、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床工学士、検査技師が、お互いに専門の知識や技術を提供し、お互いに尊重しながら、多職種によるチーム医療を重視して患者様の診療にあたります。
  • 個々の鍛錬を忘れず、積極的に研究会や学会に参加して最新の知識や技術の向上に努めます。

なお、当科は急性期病院・総合病院としての役割を全うするために、初めて受診される場合には、かかりつけ医や他院からの紹介状が必要となります。

また、次の項目については診療を行っておりません

次の自費診療に該当するもの

不妊治療、パイプカット(精管結紮術)、ED(勃起不全)治療、包茎治療

小児科で手術適応の場合

小児の停留精巣および包茎治療は、手術適応の有無に関しては診察可能ですが、手術は他院への紹介となります。

泌尿器科のがんで悩まれている方へ

 泌尿器科のがんに対しては、手術、化学療法、放射線療法を適切に組み合わせて治療を行うことが大切です。その中でも手術療法は有効な治療法ですが、患者様にとっては不安が大きいことも確かです。当科では手術に伴う患者様への体の負担や傷の痛み、傷あとを最小限にするために、腹腔鏡や体腔鏡を積極的に最大限に取り入れております。また、化学療法や放射線療法が主体になる泌尿器科のがんもあります。当科では泌尿器がんに関する標準的な化学療法とともに、難治がんに関しては最新の化学療法の試みも行っています。また放射線療法に関しても放射線療法専門医と連携し治療、ケアを行います。
 現在のがんの治療には、患者様の希望、考え方、体力、社会的背景も非常に重要な要素です。例えば前立腺がんなどでは患者様の年齢、体力、希望、考え方と病気の状態から、同じ病状でも手術療法、放射線療法、薬物療法など、様々な方法で治療が行えます。当科では、手術だけでなく、薬による治療、放射線治療、緩和医療など、いろいろな治療法を提案し、個々の患者様にとって最良な治療を、患者様と共に考えながら行います。

◆ 泌尿器がん

腎(細胞)がん

 腎がんの治療の基本は腎摘出となります。比較的早期の腎がんに対しては、腹腔鏡下腎摘除を施行いたします。腹腔鏡で腎臓を摘出するには、おなか側から到達する方法と、背中側から到達する方法がありますが、患者様に適した方法を提案しています。また、近年では小さな腎がんに対しては健常部分を残した腎部分切除術が推奨されています。全摘に比べて難易度が高く適応は限られますが、積極的に検討していく方針です。また進行がんや転移をきたした場合に対しては分子標的薬による治療を行っています。

膀胱がん

 早期がんに対しては内視鏡的切除術を施行しています。転移のない浸潤がんには標準治療である膀胱全摘術を推奨しています。しかし、尿路変更による生活の質の低下やボディイメージの変化が手術決定の妨げとなることが多く、患者様の状態や希望を十分考慮して決定します。また、手術ができない患者様や転移をきたした症例や再発症例には、有効かつ副作用が少ない化学療法であるGC療法(ゲムシタビン、プラチナ製剤)や放射線療法を病状に応じて施行しています。

腎盂がん・尿管がん

 腎盂・尿管がんは、早期の場合は腎尿管全摘除術が基本です。腹腔鏡補助下腎摘除あるいは約8-10㎝程度の小切開にて手術を施行しています。病理学的には膀胱がんと同じものですが、比較的再発や転移を起こしやすく、膀胱がんと同様の化学療法や放射線療法を手術の前後に必要に応じて施行しています。

前立腺がん

 確実に増加している前立腺がんを早期発見するために、前立腺腫瘍マーカー(PSA)の測定と前立腺生検を積極的に施行しています。当院では検診センターがPSA測定を原則として対象年齢の男性全員に行っているため、前立腺がんが早期に発見される場合が増加しています。可能な限り経直腸エコーとMRIを前立腺生検の前に施行することにより、不要な生検を回避して診断率の向上に寄与していると思われます(2015年の癌検出率72%)。早期例の治療としては手術(前立腺全摘術)療法以外に2002年より原体照射による放射線療法が導入され、より侵襲の少ない治療が可能となりました。また、前立腺がんが早期の場合は治療の選択肢が多岐にわたります。当科では患者様に適した治療方法を最優先して考え、当院では扱っていない治療(ロボット支援手術や密封小線源治療など)についても、情報提供しています。一方進行がんや転移がんに対しては、近年承認された抗がん剤のカバジタキセル、新規ホルモン剤のエンザルタミドやアビラテロンを積極的に導入しています。

◆ 副腎腫瘍

 副腎の腫瘍は大別して2種類あります。腫瘍はあるけれども過剰にホルモンを分泌しない非機能性腫瘍と、腫瘍から前述のホルモンを分泌し過ぎる機能性腫瘍です。機能性腫瘍の場合、治療の原則は腹腔鏡手術による腫瘍摘出です。当科は副腎腫瘍の診断および治療において循環器内科、内分泌内科との密接な協力体制の下に副腎疾患の治療拠点を形成しています。

  1. 非機能性腫瘍
     この腫瘍は人間ドックなどの検診や他疾患の検査中に偶然発見されるものがほとんどです。偶発性腫瘍ともいいます。この腫瘍が見つかると、まず内科的にホルモン分泌の異常がないかどうか調べます。このような非機能性の副腎腫瘍は、全例が治療の対象となるわけではありません。
  2.  機能性腫瘍
     これは全て治療の対象となります。多くは高血圧や糖尿病を主症状として内科を受診、その検査の過程で判明します。高血圧には一般的な本態性高血圧(原因不明)の他に、この副腎腫瘍のように原因があってそれに付随して生ずる二次性の高血圧があります。50歳前から降圧剤の内服が開始となった方や、何種類もの降圧剤を服用しても血圧がなかなか下がらない方は内科の主治医に相談して一度副腎を調べて貰うことをお勧めします。

    コルチゾール過剰
    副腎腫瘍からコルチゾールが過剰に分泌されるのがクッシング症候群と呼ばれる疾患です。高血圧や糖尿病、肥満、満月様の顔立ち、毛深くなる等の症状が出てきます。女性に多い疾患です。

    アルドステロン過剰
    アルドステロンが過剰に分泌されるのが原発性アルドステロン症です。潜在例を含めて本邦には100万人以上のアルドステロン症患者がいると推定されています。最近、 CTなどでも発見できない数ミリ径の微少腺腫によるアルドステロン症が診断できるようになり、症例が急増しています。

    アドレナリン過剰
    アドレナリンが過剰に分泌されると血圧が200を越えることも希ではなくなります。褐色細胞腫という疾患です。普段は正常血圧でも体外からの刺激(運動や採血等)で発作的に血圧が上昇することもあります。約10%は組織学的に悪性(癌)の像を示します。また腫瘍が副腎以外にも多発することもあります。

◆ 前立腺肥大症

 前立腺は膀胱の下で尿道の周りを取り囲んでいます。そのため、前立腺が肥大すると、尿道がしめつけられて「尿の出が悪い」とか「トイレが近い(頻尿)」 などの症状が出ます。中には、尿閉といって尿が自力で出なくなり下腹部がパンパンに張って救急車で来院される患者様もいらっしゃいます。
 前立腺の大きさが軽度から中等度(30から50グラム)の場合、症状は薬でかなりよくなりますが、根本的な治療には手術が必要です。当院では、お薬の治療で効果が不十分な場合は手術をおすすめしてします。手術と言うと、それだけで拒否反応を示す方も多いのですが、手術がうまくいくと今までにない若返った爽快感が得られます。当科では最新型高出力ホルミニウムヤグレーザー装置によるHOLEPを700例以上の患者様に施行してきており、良好な成績を収めています。

◆ 尿路結石

 尿路結石治療は多くの場合保存的治療(自然排石をめざす)にて可能ですが、結石の大きさ等の点でそれが不可能な場合、何らかの砕石装置により結石を砕く必要があります。結石は状況により、病態の緊急性や手術方法により、さまざまな治療プランが存在します。可能な限り患者様の希望もふまえて、最適な治療プランを提供していくつもりです。

  1. 体外衝撃波結石破砕(ESWL)
     当院ではDornier社製最新型最高機種(インライン方式)が導入されており、砕石効果は非常に高く、かつ治療による痛みもほとんどなく、患者様にとって満足のいく結果が得られております。
  2.  経尿道的あるいは経皮的結石砕石術
     ESWLにて砕石できない非常に硬い結石や大きな結石には直接内視鏡で結石を観察しながらホルミニウムヤグレーザーで砕石する方法です。麻酔が必要ですが、ほぼ完全に砕石することが可能です。当科では最新の細径腎盂尿管ファイバーを数台常備しており、あらゆる結石治療に対応可能です。

◆ 腎後性腎不全・重症尿路感染症

 尿路結石や腫瘍に伴う尿路閉塞で、重篤な腎不全や感染症に至るケースもあります。当科では、緊急ドレナージとして、尿管ステント留置や経皮的腎瘻造設術はもちろんのこと、症例に応じてエンドトキシン吸着や血液透析を積極的に併用し、病状の早期回復をはかります。

◆ 血液浄化療法

 血液浄化センターでは末期腎不全患者様への維持透析療法および、各科より依頼のある緊急透析を中心に行っております。平成27年には腎臓内科の常勤医を迎えて新たな体制で臨んでおり、血液浄化という概念のもとに、血漿交換あるいは血液吸着といった種々の物質を選択的に除去する治療法も積極的に行っています。当センターでは患者様に、より質の高い医療を提供し、患者様一 人一人がよりよい生活を送ることができるようにスタッフ一同一丸になって努力しております。

手術実績・症例数

2013年 2014年 2015年
腎盂形成術 鏡視下 2 5 4
副腎摘除術 鏡視下 8 9 7
根治的腎摘除術 開腹 9 4 8
鏡視下 11 3 8
単純腎摘除術 開腹 0 1 3
鏡視下 1 0 2
腎部分切除術 鏡視補助下 2 2 0
鏡視下 0 0 1
腎尿管全摘膀胱部分切除術 開腹 3 5 4
鏡視補助下 3 6 2
膀胱全摘除術 21 28 8
TUR-BT 72 132 52
腎尿管膀胱全摘除術 2 2 1
精巣摘出術 前立腺癌 19 6 4
精巣固定術 精巣捻転 1 5 1
高位精巣摘出術 精巣腫瘍 5 6 2
経尿道的前立腺核出術 HOLEP 140 194 170
体外衝撃波砕石術 ESWL 147 119 87
経尿道的尿管砕石術 TUL 61 90 74
膀胱水圧拡張術 3 3 3
ブラッドアクセス造設術 36 20 56
前立腺生検 85 56 68
緊急尿路ドレナージ 11 4 20