令和4年度 JA静岡厚生連 遠州病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 545 146 169 229 403 548 590 1113 1194 470
全体の年代別では、20代30代の減少が見られますが、20代の産婦人科患者数は増加しています。分娩数が昨年より増加しており、特に帝王切開の患者が増加したことによるものと考えられます。また、70代80代の患者数はほぼすべての科で増加しています。
全体の患者構成は70歳以上の高齢者が52%を占めており、例年同様、増加傾向にあり、昨年より占める割合が大きくなっています。肺炎・心不全など内科系疾患のみならず、手術適応症例において70歳以上の外科系患者数も増加しています。高齢ですが、良好な術後経過をたどっています。患者様・ご家族様が、安心してより望ましい治療を選択できるよう、主治医から十分な説明を受けて下さい。また、退院に際し心配や不安がある事も少なくないと思います。当院では入退院支援センターを開設しております。遠慮無く相談して下さい。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 86 8.34 8.94 0.00 77.91
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 79 47.95 21.11 8.86 86.52
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 62 17.61 13.61 1.61 81.74
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 58 4.03 4.26 0.00 67.93
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 56 28.23 17.54 5.36 84.95
誤嚥性肺炎の症例数は昨年より減少していますが、平均在院日数が16日間程長くなっています。誤嚥性肺炎や軽症心不全の転院率はやや減少しており、自宅や施設退院が増えています。今回、誤嚥性肺炎の症例において、約34%が退院後、施設へ入所されています。患者様やご家族様のご希望に沿う施設の調整には時間が必要となる事も多く、平均在院日数に影響したと考えられます。当院では、入院当初から退院に向けて、入退院支援センターの職員やケースワーカーが、退院後の生活に不安がないようサポート致します。
また、消化器内科では、内視鏡下治療に力を入れています。胃・大腸・胆管領域では内視鏡下で行える治療が年々増加しており、多くの症例に対応しています。総胆管結石性胆管炎の症例数が特に増加傾向にあり、内視鏡的胆道ステント留置術も多く施行されています。循環器内科では、急性心筋梗塞・労作性狭心症・心不全に力を入れています。高血圧の専門医がおり、難治性高血圧症の治療も行われています。
当院では退院後の継続的な治療を開業医の先生にお願いし、術後の定期的な検査で再度ご紹介をいただいております。高齢者にとって長期入院はADLの低下にもつながるため、早期退院が出来るよう努めています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 91 37.02 26.42 6.59 82.77
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 34 37.41 20.09 14.71 80.71
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 32 11.28 13.19 0.00 32.78
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 24 23.50 20.14 0.00 71.00
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 24 3.25 4.86 0.00 33.12
転倒により生じやすい「股関節大腿近位骨折」と「胸椎、腰椎以下骨折」の症例が多くなっています。これらは救急搬送や開業医の先生からの救急受診・入院要請の場合が多く、当院ではそのような状況に対し速やかに対応しております。また、「変形性股関節症」の症例が昨年より大幅に増えており、「人工関節置換術」が多く行われております。
整形外科では、変形性膝関節症・半月板損傷・膝靭帯損傷などの膝関節疾患や、腰部脊柱管狭窄症・頚髄症・椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患に力をいれています。今後、腕や手・指を専門的に治療する「手外科」の医師が配属される予定です。手根管症候群や手指の骨折等を専門的な医師が診察いたします。
また、二次性骨折予防にも力をいれています。二次性骨折とは、大腿骨近位部骨折(股関節の骨折)等含めた脆弱性骨折を受傷した後に、反対側の大腿骨近位部骨折やその他の骨折を起こしてしまうことを言います。大腿骨近位部骨折を受傷した後、5年以内に2度目の骨折を起こす危険性は骨折したことがない方と比べ10倍以上になります。大腿骨近位部骨折は多くの場合、骨粗鬆症が原因です。そのため、大腿骨近位部骨折を受傷後、早期に骨粗鬆症の評価とその治療(手術、リハビリ、薬物療法)を行い、二次性骨折の予防に努めています。
高齢者の退院先として、「自宅」が増加傾向にありますが、様々な理由で自宅退院が困難な場合もあり、およそ1割の方が自宅以外へ退院されています。当院では退院後よりよい環境で過ごせるよう、入退院支援センター等でサポートしております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 57 4.95 4.59 1.75 68.88
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 40 8.63 6.93 0.00 70.68
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 34 4.71 5.32 0.00 35.50
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 29 6.00 6.07 0.00 61.21
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 26 13.31 15.40 0.00 75.42
「鼠径ヘルニア手術」が最も多くなっています。当院では、各疾患のガイドラインに従って最も適切な治療方法を選択しています。平均在院日数はほぼ全国平均であり、標準的な診療が行われていると言えます。
胆道系の疾患が前年より増加しており、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」も多く行なわれています。総胆管結石の場合、胆嚢結石を合併している事が多くあります。内科で内視鏡的に総胆管結石の治療を行い、後日待機的に胆嚢摘出術を行なう事が多いのですが、症状によりそのまま外科にて摘出術を行なう事もあります。その場合は入院日数が延びる事になります。
1年間の外科の手術件数の65%が腹腔鏡手術です。症例に合わせて術式が選択されるため、開腹手術がより適切と判断される場合もあります。手術前に主治医から説明を受け、手術に臨んで下さい。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 137 3.69 6.13 0.73 0.00
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 55 1.02 2.09 0.00 3.31
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 46 4.20 5.89 2.17 1.33
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 33 2.91 5.70 0.00 3.52
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病 なし 25 4.76 9.48 0.00 1.96
昨年度と比較し「入院期間短縮、低出生体重に関連する障害-」が増加しています。このDPCコードは、新生児期に異常(新生児黄疸や新生児感染症など)が見つかった場合の入院等が該当します。
当院では「食物負荷試験」を多く行なっております。幼児期においてバランスのとれた食事を摂取する事は、成長するにあたり重要ですが、食物アレルギーの疑いが懸念される場合は、食事内容を考慮する必要があります。「食物アレルギー」は慎重に対応したい疾患です。乳幼児に対し、より安全性を考慮した状態にてアレルギー負荷試験を行っております。内分泌の医師が2名体制となったため今後、内分泌負荷試験も増やしていきたいと考えています。
当院小児科の最大の特徴は、心理士が充実していることであり、今後も地域のニーズに応えられるよう力を入れていきたいと思います。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 71 7.04 6.85 1.41 73.72
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 69 6.46 5.29 0.00 65.49
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 61 4.10 4.11 0.00 73.34
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 55 2.58 2.45 0.00 71.51
110310xx01xxxx 腎臓又は尿路の感染症 経尿道的尿管ステント留置術 32 9.53 13.78 3.13 69.66
初期の「膀胱癌」に対する「経尿道的手術」の件数が増加しています。膀胱癌は再発しやすく定期的な診察、検査が必要になります。「前立腺生検」は、前立腺がんの疑いがある場合の、最終的な診断の為に行われます。当院では安全性を考慮し、1泊2日入院にて行っております。
「腎・尿管結石」に関連する症例が多くなっています。尿路結石により水腎症や腎盂腎炎を合併する事もあり、場合によっては敗血症を発症した状態で受診される方もいます。炎症を伴う水腎症が高度である場合は、一旦尿管ステント留置を行い炎症の改善を待ち、その後結石除去を行います。結石除去は、結石の大きさ、硬さ、個数により治癒までの期間が異なります。
当院泌尿器科では、尿路腫瘍、結石の緊急、初期治療に力を入れています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 64 5.44 5.98 0.00 44.72
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 39 2.00 3.02 0.00 43.21
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 31 5.71 6.04 0.00 43.10
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 18 2.61 2.81 0.00 41.61
120165xx99xxxx 妊娠合併症等 手術なし 16 7.13 10.62 0.00 32.25
子宮筋腫、子宮腺筋症などの子宮の良性疾患、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍などの卵巣の良性疾患に対しては、腹腔鏡下手術を積極的に行っており、手術件数が増加しています。年齢、妊娠出産などのライフプラン、症状など、お一人お一人の状況に応じて、適切な手術方法を選択します。
「子宮頸部(膣部)切除術等」は、主に子宮頚部異形成(前癌病変)に行われます。子宮頚がん検診を受診される方が徐々に増えてきたことで。手術件数は増加しています。
子宮頸がんは、30~40代の比較的若い世代がかかることが多いがんですが、ワクチン接種と定期的な検診受診で防ぐことができるがんです。積極的に健診を受けられることをお勧めします。
婦人科領域では、手術の他に、思春期外来にも力を入れています。女性医学専門医の資格を持つ女性医師が診察を担当します。思春期特有の心身の悩みから子宮頚がんワクチンの接種まで、幅広く対応しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 50 2.00 2.03 0.00 58.62
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 42 4.10 4.79 0.00 67.93
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 21 9.81 8.81 0.00 54.38
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 18 5.61 6.83 0.00 45.22
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 18 9.06 7.73 0.00 19.39
「睡眠時無呼吸症候群」の検査入院(1泊2日)が多く行われています。「睡眠時無呼吸症候群」は就業を含め日常生活に多くの支障をきたす疾患です。睡眠障害の精密検査としてPSG(終夜睡眠ポリグラフィー)を行い、治療方針を決定しています。検査の結果に適応があればネーザルCPAPで治療を行います。また、扁桃肥大や鼻中隔弯曲の程度により手術も行います
「前庭機能障害」は「耳性めまい」です。入院期間は短期ですが、繰り返す事も多い症例です。「扁桃炎」により食事や水分摂取が困難な場合は入院治療が必要となる場合があります。
頻回に扁桃腺炎を繰り返す方には「扁桃腺摘出」をお勧めしています。幼児においては「いびきが大きい」等アデノイド増殖を伴っている場合もあります。扁桃腺摘出と合わせて手術を行いますが、手術時再度アデノイドの大きさを確認し、必要に応じアデノイドの追加切除を行います。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 57 74.47 26.42 0.00 83.93
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 30 67.57 20.09 6.67 84.20
070370xx99xxxx 脊椎骨粗鬆症 手術なし 20 64.00 22.23 0.00 84.05
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2 なし - - 19.98 - -
070370xx02xxxx 脊椎骨粗鬆症 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)等 - - 37.42 - -
当院は回復期リハビリテーション病棟があり、自院や他院医療機関で急性期治療を終えた後のリハビリを行っております。今回の集計は、当院の急性期病棟から回復期リハビリテーション病棟へ移りリハビリを集中的に行い、退院された症例になります。平均在院日数は、急性期病棟での日数も含みますが、回復期病棟のみでの平均在院日数は全国平均に比べて短くなっています。
リハビリテーション科では、整形疾患、脳卒中、四肢切断、脊椎損傷等、幅広い疾患のリハビリを行っています。
回復期病棟の在宅復帰率は97.7%と高く、リハビリにより良好なADLで退院されていると言えます。早期自宅退院を目標にリハビリを行っています。
退院後の不安を出来るだけ軽減できるよう、入退院支援センタースタッフをはじめとした職員が、一人一人に合わせた退院支援をしております。
救急医学科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 18 32.67 21.11 16.67 86.39
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 11 23.45 13.61 0.00 87.55
161020xxxxx00x 体温異常 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 6.70 - -
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 11.15 - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 4.79 - -
救急科は主に救急搬送された症例を対応しています。救急医2名、看護師4名と小さな部署ですが、年間3,600台以上の救急搬送を受けています。日頃より各専門診療科と連携し、より専門的な治療が必要と判断した場合は、それぞれの専門診療科へ継続的な治療を依頼しています。そのため今回のような10件以上ある症例のみ表示する統計では、専門科へ依頼をしない入院(誤嚥性肺炎や尿路感染症等)が集計されますが、救急科では心不全などの内科疾患や骨折などの外傷症例、腎不全、めまい、熱中症等様々な病名に対応しています。
高齢者の誤嚥性肺炎、尿路感染症、老衰など、いわゆる総合診療の症例は、高齢化に伴いさらに増えると予想しています。さらに入院数を増やしていく予定です。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 11 11.64 13.50 0.00 65.09
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2 なし - - 28.56 - -
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 9.25 - -
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし - - 10.74 - -
030450xx99xxxx 外耳の障害(その他) 手術なし - - 9.48 - -
「膿皮症」、「帯状疱疹」、「水疱症」が主な症例になります。「膿皮症」は、主として蜂窩織炎が含まれます。「水疱症」は主として水疱性類天疱瘡が含まれます。蜂窩織炎、帯状疱疹では重症な方、安静を保つのが困難な方、外来通院が困難な方が入院での加療となります。水疱性類天疱瘡は多くの方が入院加療を要します。
創部処置と並行し、ステロイドの全身投与や免疫抑制剤等を使用し加療を行っていきます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 34 - 10 14 - - 1 8
大腸癌 36 17 15 30 - - 1 8
乳癌 15 - - - - 1 8
肺癌 - - 63 - 10 1 8
肝癌 - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌に罹患された方で「癌の検査・治療」を目的に入院された方を初発・再発で集計しました。なお、症例数が10未満の項目は「-」で示しています。
「初発」とは、自施設において当該腫瘍の診断、初回治療を実施した場合を指し、「再発」とは、自施設・他施設を問わずに初発に対する一連の治療が完了した後、自施設にて診断した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たに遠隔転移した場合を指します。
「大腸癌」は、stageIの件数が増加しています。早期の「大腸癌」「胃癌」では内視鏡下手術が行なわれます。今年度の早期大腸癌に対する内視鏡手術件数は、昨年度と比較し27件増加しています。内視鏡手術が適応でない症例では、腹腔鏡下手術で治療される事が多く、開腹手術と比べて侵襲が少なく入院期間短縮が期待出来ます。
「乳癌」では、手術前に腫瘍縮小目的にホルモン治療等が多く行われます。
「肺癌」も手術が可能であれば手術が第一選択になりますが、残念ながら当院では手術を行っていない為他医療機関へ依頼しています。そのため、「肺癌」は化学療法が選択される、ステージが進行した症例が多くなっています。化学療法やホルモン治療は状態がよければ通院治療で行われています。
「肝癌」での入院治療の中心はカテーテル治療(TACE)です。「肝癌」の症例数は減少していますが、一方で再発率の高い疾患であるため、その数にあまり変化はありません。
「大腸癌」・「胃癌」・「乳癌」・「肺癌」は検診で発見されることが多いがんです。早期発見につながりますので、積極的に検診を受けていただきたいと思います。検診に関するお問い合わせは、「健康管理センター」でお受けいたしております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 46 20.57 82.96
重症 14 27.07 86.43
超重症 - - -
不明 - - -
成人市中肺炎を重症度別に集計しました。「市中肺炎」とは一般社会においてかかる(日常生活を送っている人が病院・診療所の外で感染し発症する)肺炎です。「重症度」は以下の項目をポイント化し分類したものです。①年齢②脱水の状態③酸素飽和度④意識障害の有無⑤収縮期血圧
患者数は、コロナ禍以前と比較すると約50%減少していますが、前年比では126%と増加しています。重症症例は減少しています。例年通り、重症度が上がるほど平均年齢も上昇しています。昨年と比較し、75歳未満の症例が3倍となっています。各重症度の変化と平均在院日数の短縮はその影響が考えられます。入院が長期化すればADLにも影響し、高齢者の場合、嚥下機能の低下により誤嚥性肺炎をおこしやすくなります。当院では平均して入院後4日目からリハビリを開始しており、66%の方がご自宅へ退院されています。誤嚥性肺炎に細菌感染が合併することはよくあります。肺炎球菌による肺炎の予防にはワクチンもあります。ご利用下さい。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 31 51.48 74.81 10.00
その他 - - - -
発症後、早期治療開始が望ましい疾患です。昨年と比較し、患者数は減少し、平均年齢も低くなり、平均在院日数は2週間程度短縮されています。来院時のJCSが10未満(意識障害がない)の方がほとんどで、発症から3日以内に入院した症例が約8割を占めており、早期に治療が開始されていると言えます。今回、4割の方が発症1週間前に顕著な症状がみられない状態での受診でした。運動麻痺(半身麻痺、痺れ)、構音障害(呂律が回らない)、失語症(言葉や文字が理解できない)、意識障害、めまい、吐き気等の症状があった場合は速やかに受診してください。当院はリハビリを主に行う回復期リハビリ病棟を設置しています。脳梗塞で入院された方の中には当院の回復期リハビリ病棟へ転棟し、ADL向上に励んでおられる方もいらっしゃいます。脳梗塞で入院された方の67%がご自宅へ退院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 83 2.41 23.80 4.82 73.58
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 等 44 1.05 1.50 0.00 47.07
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 38 2.87 11.84 0.00 46.08
K0811 人工骨頭挿入術(股) 38 2.97 34.29 7.89 84.92
K0821 人工関節置換術(股) 等 38 1.21 20.47 0.00 70.82
高齢者の転倒による骨折で最も多い箇所は大腿骨です。大腿骨の骨折部位により「骨折観血的手術(大腿骨)」・「人工骨頭挿入術(股)」が選択され施行されます。術後翌日若しくは翌々日からリハビリが開始されます。術後平均在院日数はリハビリ期間とも言えます。重点的にリハビリが必要な場合はリハビリ科へ転科し、回復期リハビリ病棟にてリハビリ治療を行います。術後に回復期病棟へ転棟した患者の手術件数は、リハビリ科として計上しています。リハビリ科への転棟患者も含めると、「骨折観血的手術(大腿骨)」は119件、「人工骨頭挿入術(股)」は69件施行しています。当院では、脊椎外科、膝関節外科、スポーツ外傷・障害(膝靱帯・半月板損傷)にも力を入れています。
膝関節外科は、専門とする医師が院長を含め3名在籍しており、関節鏡下手術、骨切り術、人工関節置換術などに取り組んでいます。
また、令和5年10月より手外科を専門とする医師が赴任します。手外科では、肘~手指までの骨折、脱臼などの外傷や変形性関節症、手根管症候群などの末梢神経障害、先天性の障害や関節リウマチによる手指変形などを治療します。
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 56 3.13 11.77 0.00 80.59
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 52 1.81 1.81 0.00 69.08
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 40 3.15 2.93 2.50 73.88
K654 内視鏡的消化管止血術 32 2.59 11.06 15.63 74.03
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 30 1.13 5.77 0.00 72.10
総胆管結石排出や結石、胆管狭窄等で生じる黄疸の減黄目的に行われる「内視鏡的胆道ステント留置術」や膵管狭窄により生じる慢性膵炎に対する「内視鏡的膵管ステント留置術」が多く行われています。なお、総胆管結石が大きい場合は砕石術を行います。
「内視鏡的大腸ポリープ切除・粘膜切除術」のみならず、早期胃癌・食道癌・大腸癌に対しても内視鏡的粘膜剥離術の適応対象として積極的に取り組んでいます。症例数も昨年度より増加しています。
「経皮的冠動脈ステント留置術」は、その施行理由(急性心筋梗塞・不安定狭心症・その他)により3種類に区分されています。留置するステントに「再狭窄抑制型(薬剤溶出型)」を使用する事により、再発リスクの軽減に努めています。また、この手術時では「経皮的冠動脈形成術(血管拡張)」や「経皮的冠動脈血栓除去」が同時に行われます。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 80 1.99 7.01 0.00 68.92
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 59 1.17 2.59 0.00 67.92
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 32 0.22 3.34 0.00 34.97
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 29 6.28 14.10 3.45 75.45
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 18 0.00 1.00 0.00 56.50
消化器系では胆嚢摘出・鼠径ヘルニア手術・虫垂切除だけでなく結腸切除、直腸切除・切断、胃切除・全摘、人工肛門造設においても、腹腔鏡下での手術が多く行われています。昨年度と比較し、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」はほぼ同数、「腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術」は14件増加しています。
腹腔鏡の適応範囲が広がるとともに、入院期間は短縮されてきました。「腹腔鏡下胆嚢摘出術」も「腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術」も昨年度とほぼ同じです。
当院では、クリニカルパスを用い、合併症のない早期退院を心がけています。手術を受ける事を決断されてから2週間以内に手術が出来るよう調整しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 97 0.96 4.42 0.00 73.35
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 77 2.14 4.25 0.00 65.27
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 71 0.73 5.31 1.41 73.72
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) 13 0.38 9.15 0.00 68.46
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) - - - - -
尿路結石に関連した手術が多く行われています。「尿管ステント留置術」は尿管狭窄症による閉塞に対しても行われますが、レーザーによる結石除去術施行時にも結石による閉塞予防を目的に留置されます。「膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的)」は上皮内癌に対して行われます。膀胱癌は再発しやすい癌です。定期的な観察が必要であると同時に、必要に応じて再度切除術が行われます。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 51 1.25 4.06 0.00 46.75
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 44 1.05 3.86 0.00 41.89
K867 子宮頸部(腟部)切除術 33 0.00 1.00 0.00 45.97
K872-31 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) 等 22 0.23 1.00 0.00 41.36
K861 子宮内膜掻爬術 18 0.28 0.17 0.00 50.28
子宮筋腫、子宮腺筋症などの子宮の良性疾患、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍などの卵巣の良性疾患に対しては、腹腔鏡下手術を積極的に行っており、手術件数が増加しています。年齢、妊娠出産などのライフプラン、症状など、お一人お一人の状況に応じて、適切な手術方法を選択します。
「子宮頸部(膣部)切除術等」は、主に子宮頚部異形成(前癌病変)に行われます。子宮頚がん検診を受診される方が徐々に増えてきたことで。手術件数は増加しています。
子宮頸がんは、30~40代の比較的若い世代がかかることが多いがんですが、ワクチン接種と定期的な検診受診で防ぐことができるがんです。積極的に健診を受けられることをお勧めします。
女性の健康寿命が長くなり、骨盤臓器脱(子宮脱)で悩まれる方が増えています。当院では、腹腔鏡下で身体への負担が少なく、かつ再発の起こりにくい手術(腹腔鏡下仙骨膣固定術)を導入し、順調に症例数が増えています。
リハビリテーション科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 35 2.63 76.71 0.00 84.49
K0811 人工骨頭挿入術(股) 31 5.84 61.94 0.00 84.03
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) - - - - -
K0821 人工関節置換術(膝) 等 - - - - -
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) - - - - -
一般病棟で治療を行った後、退院に向けて重点的にリハビリが必要となった場合はリハビリテーション科に転科します。この集計は、その中でも手術後にリハビリテーション科に転科した症例の集計になります。今回の集計の平均術後日数は、一般病棟からリハビリテーション科を経て退院までの期間となりますが、回復期病棟のみでは全国平均に比べて短くなっています。
昨年度の症例数と比較すると、転科症例数、他医療機関からのリハビリ目的での転院症例数もほぼ同数となっています。
リハビリテーション科では、早期在宅復帰を目標に最適なリハビリを行なっております。脳卒中地域連携パス、大腿骨頸部骨折地域連携パスに参加し、開業医とも連携して治療していきます。令和4年度の回復期リハビリ病棟の在宅復帰率は97.7%です。リハビリの効果が現れていると考えます。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 17 1.29 7.35 0.00 20.35
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 10 1.60 3.20 0.00 47.60
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) - - - - -
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 - - - - -
術式としては2つに分かれていますが、「鼓室形成術」が最も多く施行されています。「鼓室形成術」は、中耳炎手術の代表的な術式になります。この手術には、耳漏と止める、難聴を改善するなどの機能改善を目的とする手術から、真珠腫というのう胞を摘出するなど目的に応じた手術が行われています。鼓膜がやぶれ、耳漏が続く場合は、通院治療では治癒することが困難であり、手術の適応があります。すべての難聴が手術の適応とはなりませんが、検査により伝音性難聴と診断された場合は、手術で聴力改善の期待があります。また真珠腫というのう胞は徐々に増大し、難聴、めまい、顔面神経麻痺、髄膜炎などの合併症を引き起こすため、早期の手術が必要です。手術合併症軽減に努め、術後も長期的に安定した状態を維持することを目指しています。
口蓋扁桃手術(摘出)ではコブレーターにより手術時間の短縮、出血量の減少、術後疼痛の減少を図っています。
耳鼻咽喉科では、慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻・副鼻腔手術にも力を入れています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 24 0.44
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 27 0.50
異なる - -
播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症などの重篤な合併症や手術・術後の合併症の発生率を示します。なお、症例数が10未満の項目は「-」で示しています。
『同一』というのは、入院契機病名(入院が必要と判断された病名)とその原因となる病気が入院決定時点で不明であり、来院された時点での状態が既に重篤である場合です。
『異なる』場合は、その原因となる病気が判明している場合、若しくは、入院後に発症した場合です。
発生率は、各症例数の令和4年度の当院の全退院患者数に対する発生率を示しています。
「敗血症」は何らかの原因で細菌感染があり、そこから細菌が血液中に侵入し全身に広がった状態です。「播種性血管内凝固症候群」は何らかの病気に伴って発症しますが、その原因疾患は様々ですが敗血症もその1つです。
令和4年度は昨年度と比較し、「敗血症」・「その他の真菌感染症」の例数・発生率ともに変化はみられませんが、「播種性血管内凝固症候群」の症例数・発生率は減少しています。他の症例と比較し、良好な状態での退院が難しい症例です。
「手術・処置当の合併症」とは術後出血や術後感染症もありますが、予防接種に関連した症例もあります。
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