適切な意思決定支援に関する指針
目次
- 基本方針
- 意思決定支援が重要な場面
- 意思決定における医療・ケアの在り方
- 具体的な医療・ケアの方針決定支援
- 本人の意思が確認できる場合
- 本人の意思が確認できない場合
- 患者と家族の意見が異なる場合
- 患者の意思を確認する書類
基本方針
患者は疾患を抱えて治療、療養、生活を送るにあたりいろいろな意思決定をする場面があります。私たち遠州病院職員は、患者・家族に適切な説明と話合いを行い、患者本人の意思を尊重した意思決定を支援し医療・ケアを進めます。
意思決定支援が重要な場面
- 人生の最終段階における医療選択の意思決定場面
- がん末期のような、予後が数日から数か月と予測できる場面
- 慢性疾患の急性増悪を繰り返し、予後不良に陥った場面
- 脳血管疾患の後遺症や老衰など数か月から余年にかけて死を迎える場面 等
- 認知症で自らが意思決定をすることができない場面
- 身寄りがいない人で意思決定が必要な場面
- 患者と家族の意見が異なる場面
- もしもの時を考えたくなった場面
- その他 患者にとって判断に迷う場面
意思決定における医療・ケアの在り方
- 医師等の医療従事者から、現状、医療行為等の選択肢、今後の予測などの適切な情報提供を行います。
- 医療・ケアを受ける本人や家族が、多専門職種の医療者から構成される医療チームと十分話会いを行えるようにします。
- 本人の意思を最優先し医療・ケアを提供します。
- 本人の意思は変化するものであることを踏まえ、本人と家族との話し合いが繰り返し行われるようにします。
- 本人が不安や疑問、思いを十分表現できない場合は、医療者が(権利擁護、代弁者)となり考えの表出を助けます。
- 話会いの内容は、その都度診療記録に記録し、医療チームで情報共有します。
- 身体的な苦痛のみならず、家族も含めた精神的・社会的な援助を総合的に行います。
具体的な医療・ケアの方針決定支援
- 本人の意思が確認できる場合
- 本人の意思が確認できない場合
- 家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重する
- 家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人に代わるものとして家族等と十分に話し合う。家族等がいない場合及び家族等が医療チームに委ねる場合は、医療チームの中で本人にとって最善な方法を慎重に検討し決定する。
これらの決定が困難な場合には、医療チームの申し入れにより、必要と判断される場合は遠州病院倫理審査委員会でその方針を確認することができる
「認知症の人の日常生活・社会生活におけるガイドライン」
「身寄りがない人の入院及び医療にかかわる、意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」を参考に意思決定支援を行う。 - 患者と家族の意見が異なる場合
本人による意思決定を基本とし、家族も関与しながら医療チームが協力し医療・ケアの方針を決定する。
※具体的な医療・ケアの意思決定や方針のイメージ図は別紙参照
患者・家族間で意見の相違がある場合は、話し合いの時間を設け、患者にとって最善な選択ができるように調整する。
患者の意思を確認する書類
- 人生会議手帳・エンディングノート
- あんしん情報キット(緊急医療情報キット)
- 意思表示書
- 患者基礎情報用紙Ⅱ
- 緩和ステップ1、2、3