臨床検査科
臨床検査科理念
常に検査の質の向上を目指し、且つ安心、信頼される臨床支援体制の確立
臨床検査部門の紹介
検査技師長:1名
総技師数:28名(パート1名)
検体検査関連(生化学・免疫血清・血液・一般・輸血・細菌・病理):16名
生体検査関連(生理検査):11名
資格取得状況
細胞検査士
特定化学物質及び四アルキル鉛作業主任者
有機溶剤作業主任者
2級甲類臨床病理技術士資格(血液学)
静岡県西部糖尿病療養指導士
認定血液検査技師
聴力測定技術講習会認定
日本乳がん検診精度管理中央機構認定A判定
超音波検査士(循環器、消化器、体表臓器、健診)
健康食品管理士
日本糖尿病療養指導士
心電図検定2級
学会や講習会に積極的に参加し、得た知識を現場でいかせるように努力しています!
臨床検査技師の仕事
私達検査技師はSMBG指導・NST・ICT等、チーム医療にも積極的に参画し、検査技師を流動的に配置し、一丸となって取り組んでいます。
検査技師の仕事には血液や尿、便などを扱う検体部門と直接患者様と接する生理検査部門(心電図、脳波、超音波検査)などがあります。私達検査技師は24 時間体制で迅速に正確な検査結果を患者様に報告できるように努力しています。ここでは、私達の仕事や、内容をわかりやすく紹介したいと思います。
細菌・微生物検査
細菌・微生物検査では、病気の原因が微生物(細菌、ウイルス)によるものかどうか、また、どんな種類の微生物かを調べています。その他に、病気の原因菌 に合った薬(抗生物質)を見つける検査をしています。これは、病気を早く治すために大切な検査ですが、薬(抗生物質)の効かない耐性菌が増えないようにするためにも重要な検査です。新型コロナウイルス検査については、抗原定量検査とPCR検査を行っています。新規の入院や手術予定のある患者様や救急搬送された患者様の全員を検査しています。また、入院後に発熱等症状がある患者様についても検査を実施しています。
病理・細胞診検査
病理細胞診検査は、患者様から採取された組織や細胞を顕微鏡的に診断し、治療方針や治療効果、予後の判定などに情報を提供しています。
血液検査(貧血)
血液検査では、血液中の成分である血球(白血球・赤血球・・血小板)の数を調べる検査や血液を固めるために働く凝固因子を調べる検査を主に行っています。
血球数を調べる検査は、健康診断で一般に行う検査でもあり、測定装置(画像1)を使って検査をします。数の異常は、この装置でみつけることができます。更に詳しい検査として、血液細胞を顕微鏡でみる血液像検査があります。(画像2)この検査によって、さまざまな貧血や白血病などの血液の病気がわかります。
凝固因子を調べる検査では、血液が固まりにくくなる病気がわかります。抗凝固療法(血液をさらさらにする)を行っている方の薬の効果をみるためにも行う検査です。(画像3)
(画像1) (画像2) (画像3)
一般検査(尿・便)
尿、便、体腔液、精液などの検査材料から検査します。
尿や便は簡単に採取でき、多くの情報を持っています。試験紙で蛋白、糖、潜血などがすぐわかり、顕微鏡で出血、炎症がないかを調べます。まれに尿中の細胞から癌が見つかることもあります。
また、便検査は出血性消化器疾患や寄生虫診断に役立ちます。
生化学検査
患者様より採血された血液を遠心分離し血清と血球に分離し主に血清を自動分析機にて測定します。迅速、正確にデータを出します。
現在使用している主な生化学検査機器です。
- キャノン臨床化学自動分析装置 TBA-FX8 2台
- 全自動化学発光酵素免疫測定装置 富士レビオ ルミパルス G1200 1台
- 免疫発光測定装置 ロシュ・ダイアグノスティックス Cobas pro e801
- 自動グリコヘモグロビン測定装置 アークレイ ADAMS A1C HA-8190Ⅴ
血清検査(輸血)
輸血検査には「ABO血液型検査」のほか「Rh血液型検査」や「不規則抗体スクリーニング検査」などがあります。さらに、輸血用血液製剤と患者様の血液が適合するか確認し、血液型不適合による副作用を未然に防止する交差適合試験を行い、より安全な輸血を実施しています。
*ABO血液型検査 ・・・「オモテ検査」と「ウラ検査」があり、2つの結果が一致することによりABO血液型が
判明します。
*不規則抗体スクリーニング検査 ・・・ 輸血や妊娠などによって産出された不規則抗体の特異性を検査
することで、輸血に適合する血液を準備することができます。
*交差適合試験 ・・・ 試験管内で血液製剤と患者様の血液を反応させて、凝集や溶血が起きないか検査
をします。
生理検査(心電図・検診)
患者様のニーズに対応した体制を整え、安全で安心して検査を受ける検査室を目指しています。
各種検査項目・所要時間
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検査項目 | 検査時間 | 予約 |
---|---|---|
心電図(12誘導) | 5分 | 不要 |
自律神経R-R | 5分 | 不要 |
マスター負荷試験(負荷心電図検査) | 20分 | 不要 |
24時間ホルター心電図・血圧 | 20分 | 要 |
トレッドミル検査 | 30分 | 要 |
超音波検査 (腹部・心臓・頸動脈・甲状腺・乳腺・下肢静脈・表在) |
30分 | 要 |
脳波検査 | 90分〜120分 | 要 |
睡眠時無呼吸検査(PSG) | 1泊入院 | 要 |
携帯用睡眠時無呼吸検査 | 40分 | 要 |
肺機能検査 VC:肺活量 FVC:努力性肺活量 FeNO:呼気中一酸化窒素濃度 |
20分〜30分 | 不要 |
肺機能検査 FRC:機能的残気量 DLCO:肺拡散能力 |
30分~1時間 | 要 |
誘発機能検査 (MCV・SCV・ABR・針筋電図) |
60分 | 要 |
血圧脈波検査(ABI) | 10分 | 不要 |
聴力検査 | 20分 | 要 |
重心動揺検査 | 5分 | 不要 |
尿素呼気検査 | 30分 | 不要 |
皮膚潅流圧測定(SPP) | 30分 | 不要 |
検査内容
心電図検査
両手/両足首・胸部に電極を置き、心臓の電気的変化を波形として記録したものが心電図です。
心電図の波形を見ることで、不整脈や狭心症、心筋梗塞などの異常や状態がわかります。
- 検査注意点
足首を使うため、ストッキング・タイツは脱いで、胸が出るようにし手足の力を抜いて楽な姿勢で休んで下さい。 - 検査目的
不整脈、心臓肥大、心筋障害、先天性心疾患を始め多くの心臓疾患
負荷心電図検査(マスター負荷)
階段昇降をして心臓に負荷を与え、運動前後の心電図変化を確認します。虚血性心疾患や運動誘発の不整脈など、安静時では分からない異常を見つけます。
- 検査注意点
膝や腰、階段の昇り降りが出来ない方は検査前に申し出て下さい。
検査中に生じた症状(胸部、足、腰の痛み)はすぐに申し出て下さい。 - 検査目的
狭心症、運動時の胸部症状
トレッドミル検査
心電図を記録しながらベルトの上を目標心拍数まで歩いてもらいます。
- 検査注意点
足の具合が悪い方は検査前に申し出て下さい。検査中にベルトのスピードについていけない場合や症状が出た時はすぐにお申し出ください。 - 検査目的
狭心症、運動時の息切れ、胸部違和感、その他の心疾患
24時間ホルター心電図検査
通常の安静心電図では異常を認めないが、日常生活の中で不整脈を感じたり、動作時の胸部症状等がある場合は適応になります。
- 検査注意点
*日常生活に規制はありません。(シャワー可)
*電極を安定させるためテープで固定します。皮膚の弱い方はお申し出下さい。 - 検査目的
不整脈、狭心症、運動時の息切れ、胸部違和感、その他の心疾患
長時間ホルター心電図検査(2023年1月より導入しました)
通常の安静心電図では異常を認めないが、日常生活の中で不整脈を感じたり、動作時の胸部症状等がある場合は適応になります。最大14日間の記録が可能です。24時間心電図よりも機器は小型で左胸部に装着します。
- 検査注意点
*日常生活に規制はありません(シャワー可)
*電極を安定させるためにテープで固定します。皮膚の弱い方はお申し出下さい。
血圧脈波検査(ABI)
両手、両足の血圧を一度に測定して、血管の硬さ、下肢血管が狭窄していないかを検査します。
- 検査注意点
透析を行っている方、術後等で血圧測定を禁忌とされている方はお申し出ください。 - 検査目的
動脈硬化の判定、閉塞性動脈硬化症(ASO)
呼吸機能検査(肺活量、努力性肺活量、機能的残気量測定、肺拡散能力)
喘息や慢性肺疾患、間質性肺炎などの呼吸器疾患の診断・経過観察のほか手術前の肺の状態把握に行われます。
- 検査注意点
検査当日は、結果に影響するので、喫煙・カフェイン・アルコールを控えて下さい。検査は患者様の努力とご理解が検査結果に影響します。私達技師も患者様と一緒にがんばって行いますのでご協力をお願いします。 - 検査目的
肺の容量、気道の閉塞状態、肺拡散能力、喘息の診断
超音波検査
超音波とは、人間の耳には音として感じられないほど周波数が高い音波のことです。この超音波を体に当てて、体の中を画像として映し、様子を観察します。おなか全体、心臓、乳房、甲状腺、首や足の血管など、多くの部位が検査の対象になります。
<心臓>
心臓は常に拍動していますが、その動いている状態を超音波検査ではそのまま観察することができます。心臓の大きさや壁の厚さ、動き、弁の形態など、血液の流れる方向や速さも観察します。心筋梗塞、心筋症、弁膜症、心不全、先天性心疾患などの診断に行われます。
<腹部>
肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓を中心に観察し、形態(かたち)の異常や腫瘤(できもの)がないか調べます。がん発見の第一歩になる場合もあります。
<乳腺>
*女性技技師が担当します
乳腺の中に腫瘤(できもの・しこり)がないか調べます。触診では解りにくい小さな病変も見つけることができます。腫瘤には良性と悪性があるので、超音波で腫瘤の特徴を観察し診断に役立てます。
<表在>
甲状腺、耳下腺の大きさ、腫瘤(できもの・しこり)がないか調べます。リンパ節、体表に触れるしこりなどを調べます。
<頸動脈>
頸動脈は脳につながる大切な血管で、動脈硬化の好発部位です。動脈硬化を起こすと血管壁が厚くなり、内部が狭くなります。そのような血管の状態を直接観察し血液の流れている状態を確認する事で、視覚的に動脈硬化の診断ができます。
<下肢静脈>
足の静脈の中に血の塊(血栓)が出来ていないかを調べます。
脳波検査
頭に電極をつけ、脳の神経細胞が働くときにでる電気変化を波形として記録します。ベッドに仰向けで休み、目の開閉、睡眠、光の刺激、深呼吸の負荷をして時の波形を記録します。
睡眠時間を減らして来てください。整髪料は付けないでお越しください。
意識消失、痙攣、てんかん
末梢神経伝導速度検査
手足の神経に電気刺激を与え、それに対する反応から神経の伝わりをみるものです。運動障害(動きの難しさ、脱力感など)や知覚障害(感覚の鈍さ、しびれなど)の原因が末梢神経障害によるものか、また障害の部位や程度を調べる検査です。
多少の痛みが伴いますがご協力お願いします。
手足のしびれ、糖尿病性神経障害
睡眠時無呼吸検査
睡眠の質や睡眠中の呼吸の状態を調べる検査です。簡易検査と精密検査があります。
<簡易検査>
自宅に機器を持ち帰り、就寝前にご自身で装着し検査、翌日返却していただきます。センサーは指先に装着し腕時計型の機器に記録、血液中の酸素濃度を主に測定します。
<精密検査>
夕方から一泊入院していただき機器装着、脳波、心電図、眼球と胸の動き、鼻と口の呼吸状態、血液中の酸素濃度を検査します。機器はコードレスなので、病室内行動フリーです。
- 検査目的
睡眠時無呼吸症候群の判定
聴力検査
オージオメーターという機械を使い、ヘッドホンをつけて周波数の違う音を聞いてもらいます。周囲の雑音を遮断する防音室で検査を行います。その他、補聴器適合検査や鼓膜の検査も行っています。
- 検査注意点
検査時は担当の指示に従って検査を行って下さい。音を聞く検査です。少しでも音が聞こえたらボタンを押してください。 - 検査目的
聞こえが悪い、耳鳴り、めまいの症状がある場合
平衡機能検査
めまいの原因が、内耳障害によるものか、脳疾患によるものか、その他によるものかを区別するための検査です。
採血室
病院1Fにある中央採血室では、外来患者さまの採血を行っています。また、尿検査や喀痰検査、便検査などの受付も行っています。臨床検査技師が交代制で対応しています。
- 採血時のお願い
患者誤認防止のため、採血前にお名前をお伺いしています。アルコールアレルギーの有無についても確認させていただいています。ご協力をお願いいたします。 - 採血時の注意事項
採血に不安な方、採血時に不調を感じた経験のある方は遠慮なさらず申し出て下さい。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を内服されている患者さまについては採血後の止血をしっかり行います。また、その他にも血が止まりにくいと感じる方は申し出てください。