臨床検査科

臨床検査科理念

常に検査の質の向上を目指し、且つ安心、信頼される臨床支援体制の確立

臨床検査部門の紹介

検査技師長:1名
副技師長:1名
総技師数:29名
検体検査関連(生化学・免疫血清・血液・一般・輸血・細菌・病理):18名
生体検査関連(生理検査):11名

資格取得状況

国際細胞検査士
細胞検査士
特定化学物質及び四アルキル鉛作業主任者
有機溶剤作業主任者
2級甲類臨床病理技術士資格(血液学)
静岡県西部糖尿病療養指導士
認定血液検査技師
聴力測定技術講習会認定
日本乳がん検診精度管理中央機構認定A判定
超音波検査士(循環器、消化器、体表臓器、健診)
健康食品管理士
日本糖尿病療養指導士
心電図検定2級
二級臨床検査士(病理学)
認定病理検査技師
尿沈査検査士

学会や講習会に積極的に参加し、得た知識を現場でいかせるように
努力しています!

臨床検査技師の仕事

私達検査技師はSMBG指導・NST・ICT等、チーム医療にも積極的に参画し、検査技師を流動的に配置し、一丸となって取り組んでいます。
検査技師の仕事には血液や尿、便などを扱う検体部門と直接患者様と接する生理検査部門(心電図、脳波、超音波検査)などがあります。私達検査技師は24 時間体制で迅速に正確な検査結果を患者様に報告できるように努力しています。ここでは、私達の仕事や、内容をわかりやすく紹介したいと思います。

細菌・微生物検査

kensa21細菌・微生物検査では、病気の原因が微生物(細菌、ウイルス)によるものかどうか、また、どんな種類の微生物かを調べています。その他に、病気の原因菌 に合った薬(抗生物質)を見つける検査をしています。これは、病気を早く治すために大切な検査ですが、薬(抗生物質)の効かない耐性菌が増えないようにするためにも重要な検査です。新型コロナウイルス検査については、抗原定量検査とPCR検査を行っています。新規の入院や手術予定のある患者様や救急搬送された患者様の全員を検査しています。また、入院後に発熱等症状がある患者様についても検査を実施しています。

菌の培養 

菌の培養

病理・細胞診検査

病理細胞診検査は、患者様から採取された組織や細胞を顕微鏡的に診断し、治療方針や治療効果、予後の判定などに情報を提供しています。

胃粘膜標本 

胃粘膜標本

扁平上皮細胞

扁平上皮細胞

過去5年の件数(組織診、細胞診、剖検)

2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
組織診 2849件 2957件 3016件 2542件 2753件
細胞診 7527件 7677件 7902件 6748件 6942件
剖検 10件 4件 12件 8件 10件

血液検査(貧血)

血液検査では、血液中の成分である血球(白血球・赤血球・・血小板)の数を調べる検査や血液を固めるために働く凝固因子を調べる検査を主に行っています。
血球数を調べる検査は、健康診断で一般に行う検査でもあり、測定装置(画像1)を使って検査をします。数の異常は、この装置でみつけることができます。更に詳しい検査として、血液細胞を顕微鏡でみる血液像検査があります。(画像2)この検査によって、さまざまな貧血や白血病などの血液の病気がわかります。
凝固因子を調べる検査では、血液が固まりにくくなる病気がわかります。抗凝固療法(血液をさらさらにする)を行っている方の薬の効果をみるためにも行う検査です。(画像3)

s-CS-5100 s-血液像 s-XN-3000
(画像1)       (画像2)      (画像3)

一般検査(尿・便)

尿、便、体腔液、精液などの検査材料から検査します。
尿や便は簡単に採取でき、多くの情報を持っています。試験紙で蛋白、糖、潜血などがすぐわかり、顕微鏡で出血、炎症がないかを調べます。まれに尿中の細胞から癌が見つかることもあります。
また、便検査は出血性消化器疾患や寄生虫診断に役立ちます。

s-一般HP写真1s-一般HP写真2s-一般HP写真3

生化学検査

患者様より採血された血液を遠心分離し血清と血球に分離し主に血清を自動分析機にて測定します。迅速、正確にデータを出します。

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肝機能検査 肝臓の病気の有無をみる検査(スクリーニング検査)

  • AST
  • ALT
  • LD、ALP
  • γ-GT
  • ビリルビン
肝障害の原因や病態を検索する検査

  • 肝炎ウイルス(HBS抗原、HCV抗体)
肝障害の進行度・重症度をみる検査

  • CHE
  • 総蛋白(蛋白分画、アルブミン)
  • ICG
腎機能検査
  • 尿素窒素
  • クレアチニン
  • クレアチニンクリアランス
膵機能検査
  • アミラーゼ(血中、尿中)
  • 膵型アミラーゼ
脂質検査
  • 総コレステロール
  • HDLコレステロール
  • LDLコレステロール
  • 中性脂肪
電解質検査
  • ナトリウム
  • カリウム
  • クロール
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 無機リン
腫瘍マーカー
  • CEA
  • AFP
  • CA19-9
  • PSA
炎症マーカー
  • CRP
ホルモン検査
  • TSH
  • FT3
  • FT4
  • HCG
  • インシュリン
糖尿病関連検査
  • 血中グルコース(血糖)
  • グリコヘモグロビン(HbAlc)
  • グリコアルブミン

現在使用している主な生化学検査機器です。

  • キャノン臨床化学自動分析装置 TBA-2000FR 2台
  • 全自動化学発光酵素免疫測定装置 富士レビオ ルミパルス G1200 2台
  • 免疫発光測定装置 ロシュ・ダイアグノスティックス コバスe411
  • 自動グリコヘモグロビン測定装置 アークレイ ADAMS A1C HA-8190Ⅴ
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キャノン臨床化学自動分析装置

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免疫発光測定装置

 

血清検査(輸血)

輸血検査には「ABO血液型検査」のほか「Rh血液型検査」や「不規則抗体スクリーニング検査」などがあります。さらに、輸血用血液製剤と患者様の血液が適合するか確認し、血液型不適合による副作用を未然に防止する交差適合試験を行い、より安全な輸血を実施しています。

*ABO血液型検査 ・・・「オモテ検査」と「ウラ検査」があり、2つの結果が一致することによりABO血液型が
判明します。
*不規則抗体スクリーニング検査 ・・・ 輸血や妊娠などによって産出された不規則抗体の特異性を検査
することで、輸血に適合する血液を準備することができます。
*交差適合試験 ・・・ 試験管内で血液製剤と患者様の血液を反応させて、凝集や溶血が起きないか検査
をします。
kensa08

生理検査(心電図・検診)

平成19年4月に、最新の検査機器を導入し、患者様のニーズに対応した体制を整え、安全で安心して検査を受ける検査室を目指しています。

各種検査項目・所要時間

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ノンストレステスト40分要

検査項目 検査時間 予約
心電図(12誘導) 5分 不要
自律神経R-R 5分 不要
マスター負荷試験 20分 不要
24時間ホルター心電図・血圧 20分
トレッドミル検査 30分
超音波検査
(腹部・心臓・頸動脈・甲状腺・乳腺・下肢静脈・表在)
30分
脳波検査 90分〜120分
睡眠時無呼吸検査(PSG) 1泊入院
携帯用睡眠時無呼吸検査 40分
肺機能検査
VC:肺活量
FVC:努力性肺活量
FeNO:呼気中一酸化窒素濃度
20分〜30分 不要
肺機能検査
FRC:機能的残気量
DLCO:肺拡散能力
30分~1時間
誘発機能検査
(MCV・SCV・ABR・針筋電図)
60分
血圧脈波検査(ABI)
(ABI)
10分 不要
聴力検査 20分
重心動揺検査 5分 不要
尿素呼気検査 30分 不要
皮膚潅流圧測定(SPP) 30分 不要

業務内容

心電図検査

両手/両足首・胸部に電極を置き、心臓の電気的変化を波形として記録したものが心電図です。
色々な角度で記録することにより種々の心疾患を判読できます。

  • 検査注意点
    足首を使うため、ストッキング・タイツは脱いで、胸が出るようにし手足の力を抜いて楽な姿勢で休んで下さい。
  • 検査目的
    不整脈、心臓肥大、心筋障害、先天性心疾患を始め多くの心臓疾患

 

負荷心電図検査(マスター負荷)

階段昇降をして運動前後の心電図変化を確認します。

  • 検査注意点
    膝や腰、階段の昇り降りが出来ない方は検査前に申し出て下さい。
    検査中に生じた症状(胸部、足、腰の痛み)はすぐに申し出て下さい。
  • 検査目的
    狭心症、運動時の胸部症状

トレッドミル

kensa09 心電図を記録しながらベルトの上を目標心拍数まで歩いてもらいます。

  • 検査注意点
    足の具合が悪い方は検査前に申し出て下さい。検査中にベルトのスピードについていけない場合や症状が出た時はすぐにお申し出ください。
  • 検査目的
    狭心症、運動時の息切れ、胸部違和感、その他の心疾患

24時間ホルター心電図検査

通常の安静時心電図では異常を認めないが、日常生活の中で不整脈を感じたり、動作時の胸部症状等がある場合は適応になります。

  • 検査注意点
    日常生活に規制はありません。(シャワー、入浴可)電極を安定させるためテープで固定します。
    皮膚の弱い方はお申し出下さい。
  • 検査目的
    不整脈、狭心症、運動時の息切れ、胸部違和感、その他の心疾患

血圧脈波検査(ABI)

両手、両足の血圧を一度に測定して、血管の硬さ、下肢の血管が狭窄していないかを検査します。

  • 検査注意点
    検査中に身体を動かしたり、喋らないでリラックスして下さい。手足に痛み、傷のある方は予めお申し出下さい。透析を行っている方は申し出て下さい。
  • 検査目的
    動脈硬化の判定、閉塞性動脈硬化症(ASO)

呼吸機能検査(肺活量、努力性肺活量、機能的残気量測定、肺拡散能力、呼気中一酸化窒素濃度測定)

kensa010呼吸に関する生理機能検査で、呼吸困難の主要な原因である換気、ガス交換の障害の種類と程度を評価できます。主な検査として、換気能力をみるスパイログラム(呼吸曲線)、肺の過膨張や縮小の程度を示す肺気量分画などがあげられます。呼気中一酸化窒素濃度測定は、好酸球性炎症による、喘息の指標となる検査です。

  • 検査注意点
    検査当日は、結果に影響するので、喫煙・カフェイン・アルコールを控えて下さい。検査は患者様の努力とご理解が検査結果に影響します。私達技師も患者様と一緒にがんばって行いますのでご協力をお願いします。
  • 検査目的

肺の容量、気道の閉塞状態、肺拡散能力、喘息の診断

超音波検査(腹部)

kensa011超音波を用いて、腹部の臓器(肝・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓など)を観察します。腫瘍・のう胞・脂肪肝・ポリープ・胆石など様々な疾患を発見することが出来ます。食事をしないことが条件となりますので、空腹でいらしてください。水分は摂取してもかまいません。

超音波検査(乳腺)

超音波を用いて、乳房の断面像を描出し、乳房内部の状態を知る事ができます。乳腺の病気の存在、特にしこり(腫瘤)がある場合に有用な検査です。当院では女性技師が検査を担当します。

超音波検査(表在)

甲状腺・唾液腺・リンパ節・体表に触れるしこりなどを検査します。

超音波検査(頸動脈)

簡便で視覚的に動脈硬化の診断できる検査です。動脈硬化を起こすと血管壁が厚くなったり、硬くなったりします。動脈硬化の進行を概ね把握することができ、全身の動脈硬化や脳血管疾患の評価に用いられます。

超音波検査(下肢静脈)

下肢静脈エコー(DVT)は、深部静脈にある血栓の有無を評価するのに効果的な検査です。太ももからくるぶしにかけて血栓がないかを検査します。下肢にある血栓が肺に流れてつまると呼吸困難や突然死をきたす可能性があります。

心臓超音波検査

超音波を使用して心臓の動き、弁の開閉、心機能評価、先天性心疾患などを早期に発見できます。

  • 検査注意点 上半身裸になって左横向きでベットに休んでもらいます、検査時に超音波の通過をよくするためにゼリーを塗ります、検査中は体の力を抜いて楽にして下さい。
  • 検査目的 心臓の大きさ、動き、弁の開閉、先天性心疾患などの心機能評価

神経生理機能検査(脳波、運動神経、知覚神経、筋電図、聴性誘発反応)

脳波とは脳が働いているときの活動電位を記録したもので、色々な負荷を加えたときに脳波に異常がでないか確認します。
神経伝導検査とは手足の神経に電気を流して、神経に伝わる反応を記録するものです。

  • 検査注意点
    脳波:睡眠時間を減らして来てください。整髪料は付けないで下さい。
    神経伝導検査:多少の痛みが伴いますがご協力お願いします。
  • 検査目的
    脳波:意識消失、痙攣、てんかん
    神経伝導検査:手足のしびれ、糖尿病性神経障害

睡眠時無呼吸検査

貴方は日中、車を運転中に突然の眠気でハッとなったことはありませんか、このような方は夜間睡眠中に無呼吸になり、十分な睡眠がとれていないためです。睡眠時無呼吸検査は脳波を記録しながら睡眠、無呼吸の度合いを検査します。
家庭に持っていってもらい、ご自分で装着していただく簡易無呼吸検査装置もあります。

  • 検査注意点
    1泊入院して検査をして頂きます。検査上多くの測定器を取り付けますので事前に検査の説明を十分にお聞きください。
  • 検査目的
    睡眠時無呼吸症候群の判定

聴力検査

オージオメーターという機械を使い、ヘッドホンをつけて周波数の違う音を聴いてもらいます。
周囲の雑音を遮断する防音室で検査を行います。その他、補聴器適合検査や鼓膜の検査も行っています。

  • 検査注意点
    検査時は担当の指示に従って検査を行って下さい。音を聞く検査です。少しでも音が聞こえたらボタンを押してください。
  • 検査目的
    聞こえが悪い、耳鳴り、めまいの症状がある場合

平衡機能検査

めまいの原因が、内耳障害によるものか、脳疾患によるものか、その他によるものかを区別するための検査です。

採血室

病院1Fにある中央採血室では、外来患者さまの採血を行っています。また、尿検査や喀痰検査、便検査などの受付も行っています。臨床検査技師が交代制で対応しています。

  • 採血時のお願い
    患者誤認防止のため、採血前にお名前をお伺いしています。アルコールアレルギーの有無についても確認させていただいています。ご協力をお願いいたします。
  • 採血時の注意事項
    採血に不安な方、採血時に不調を感じた経験のある方は遠慮なさらず申し出て下さい。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を内服されている患者さまについては採血後の止血をしっかり行います。また、その他にも血が止まりにくいと感じる方は申し出てください。