NST(栄養サポートチーム)
栄養不良は病気の予後に重大な影響を与えることは周知なことですが、先進諸国においても入院患者の一部が栄養不良に陥っているといわれています。
当院では平成14年からNST委員会を設置し、入院患者様の栄養管理に関わってきました。栄養療法は入院患者管理の基本、特に重症患者様においては予後 に直結すると考えられています。質の高い栄養療法を提供できるよう、その重要性を喚起し、栄養評価、指導、職員への啓蒙を通じて病院全体の栄養に対する質 を向上させる役割を担っていきたいと考えています。
栄養療法ってなあに
栄養療法とは『体に必要な栄養を投与すること』で、特に病気のために口から食事が摂れないときや、食事を摂っても上手く代謝できずに栄養が不足するときなどに行われます。この様なときには
- 栄養を摂取する方法を変える
- 栄養を摂取する量や内容を変える
ことを行います。
1の栄養投与法は大きく二つのやりかたがあります。ひとつはいわゆる点滴と呼ばれるもので専門的には静脈栄養といいます。また鼻やお腹につけたチューブから胃や腸に直接栄養を送り込む方法もあり、普通の食事方法も含めて経腸栄養といいます。
2の栄養の内容については、その方の性別、年齢、身長・体重、病気の影響などを考えて、個人にあった栄養内容を考えていきます。最近は新しい輸液剤や高カロリーの経腸栄養剤などが開発され、より細かい使い分けができるようになりました。
栄養が足らないとどうなるの
栄養不足になると下に書いたようなことが起こりやすくなると言われます。これは実際に米国やヨーロッパで調査された結果で、多くは病気のない高齢者や入院中の方、退院後の方を対象にしていますが、健康な成人や子供、乳幼児にも同じことがいえます。
- 病気に対する抵抗力が弱くなる
- 病気にかかりやすい
- 二つ以上の病気にかかりやすい
- 傷が治りにくい
- 入院期間が長くなる
すべてが起こるわけではなく、個人差もありますが、このようなことが起こりやすくなることは事実なのです。