感染管理部門

・感染制御対策チーム(ICT)について

・院内感染防止対策について

・医療安全管理部門組織図について

 

遠州病院 院内感染防止対策指針
平成30年4月1日第11版改訂

第1 趣旨

この指針は、遠州病院(以下「当院」という。)における院内感染防止対策及び院内感染発生時の対応等において、院内感染対策体制を確立し、適切かつ安全で質の高い医療サービスの提供を図ることを目的として、下記事項について定めるものである。

  1. 院内感染防止対策に関する基本的考え方
  2. 院内感染防止対策のための委員会その他当該病院等の組織に関する基本的事項
  3. 院内感染防止対策のための職員研修に関する基本的な事項
  4. 感染症の発生状況報告に関する基本方針
  5. 院内感染発生時の対応に関する基本方針
  6. 患者様等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
  7. その他院内感染防止対策推進の為に必要な基本方針

 

第2 院内感染防止対策に関する基本的考え方

この指針の基本的な考え方は、以下の通りとする。

  1. 院内感染発生予防・防止

血液・体液のみならず、患者の喀痰・便・尿などの分泌物・排泄物(湿性生体物質)に接触するときには,感染性があるという考え方(標準予防策=Standard Precautions)に基づき、手洗の励行・手袋・ビニールエプロン・マスク・ゴーグルを着用する。

さらに感染経路別予防策として、空気予防策、飛沫予防策、接触予防策の3つがあり標準予防策に追加して実施する。

  1. 院内感染発生時の発生源の調査、拡散防止、治療、再発防止

院内感染防止対策を効果的に遂行する為には以下の事柄を実践する。

  • 院内ラウンド゙による現場での指導、啓発及び情報収集
  • 細菌検査室の情報に基づく現場での病院感染医学調査(サーベイランス)
  • 感染対策のモニタリング
  • 隔離対策及び感染危険物の取扱いの指導
  • 抗菌薬投与、隔離、消毒及び滅菌物取り扱い方法の提示
  • 効果的な感染対策の提示
  • 感染拡大の危険性のある部門の調査対応(院内感染対策マニュアル、アウトブレイク時の対応参照)
  • 感染症患者の移動及び退院に関する助言
  • 日常的に実施されている感染対策の評価と改善
  • 新しい医療器具の使用方法の提示とモニタリング
  • 必要物品の供給に関する指導、提言
  • 院内感染防止対策の経済的効果

 

  1.  院内感染防止対策は、①感染の発生予防・防止、②感染発生時の発生源の調査、拡散防止、治療③再発防止の三原則を病院の全ての部門が協力して実施することにより初めて有効となる。その為には、院内感染対策委員会が中心となり感染対策実践チーム(Infection Control Team;ICT)と協力し合い効果的・組織的な活動をすることが望まれる。

 

第3 院内感染防止対策のための委員会その他当該病院等の組織に関する基本的事項

当院における院内感染防止対策のための管理体制は以下の通りとする。

  1. 院内感染対策委員会(Infection Control Committee;ICC)

院内感染に関する最終の意思決定機関である。

本委員会は包括的でしかも機能は多岐にわたるため、臨床の現場で確実に実行されなければならない感染対策について、すべての事項を決定し、実行できる権限を持つ。

  • 活動
  • 院内感染に関わるマニュアルに沿って実施されているかどうかを監視し点検する。
  • 院内感染発生状況について、サーベイランス組織をつくり発生患者の検索、記録、分析及び、フィードバックなどの事業を推進する。
  • 月に一度委員会を開催し重大な問題が発生した場合は適宜開催する。
  • 感染対策情報・起因菌の検出状況(MRSAを含む)を提供し、イントラネットにて報告を行う。
  • 院内感染に関わるマニュアルの改訂の必要性が生じた場合には、院内の状況を的確に把握し改編を行う。
  • その他、院内感染の発生防止に必要と思われる事項について活動する。
  • 上記活動を円滑に行うため、院内感染対策実践チーム(Infection Control Team;ICT)を編成し活動を支援する。
  • アウトブレイク時の対応についてICTと協力し対策を決定する。
  • 構成メンバー

病院長、診療部門医師、看護部門看護部長、医療安全部門医療安全管理室看護副部長、薬剤部門薬局長、臨床検査部門臨床検査技師長、洗浄・滅菌消毒部門手術室看護長、給食部門栄養科長、事務部門事務長、感染管理部門感染管理認定看護師とする。

  • 上記構成メンバーが委員会欠席の場合は各部門の次点とする。
  • 事務局

本委員会事務局は感染管理認定看護師がつとめる。

  • 会議司会進行は病院長とし、議事録作成は感染管理認定看護師がつとめる。
  1. 感染対策実践チーム(Infection Control Team;ICT)

チームは院長直下の諮問機関とし院内感染対策全般に関する事項の具体的な提案、実行、評価等、ICCに答申する。また院内感染防止全てにおいて、情報収集と直接的、間接的支援ができる権限を持つ。

  • 活動
  • 病院感染の調査に関すること(サーベイランスの情報分析、評価し感染対策に役立てる)
  • 病院感染が発生した場合の報告および対応に関すること(アウトブレイク時を含む)
  • 職員への病院感染に関する事項の周知徹底および啓発に関すること
  • 感染予防マニュアルの作成、改定
  • 滅菌・消毒、清掃業務に関すること
  • 医療廃棄物に関すること
  • 針刺し・切創/皮膚粘膜汚染対策に関すること
  • 病院清潔度や環境菌の環境衛生に関すること
  • 病院医療従事者の教育、勉強会の企画・運営
  • 他保険医療機関との連携に関すること(行政機関含む)
  • 週1回以上の巡視による感染事例の把握、院内感染防止対策の実施状況把握と指導、および抗菌薬の届出制と適正使用の監視、指導、「院内感染対策マニュアル」の遵守確認
  • その他ICTが必要と認めること
  • チームメンバー

医師、感染管理認定看護師、薬剤師、細菌検査技師

  • ICTカンファレンス

カンファレンスは、水曜日・木曜日の院内ラウンド後に適時開催する。

その他、ICTが必要と認めたときに開催する。

カンファレンスの進行は医師とし、議事録作成は感染管理認定看護師とする。

 

  1. 感染対策小委員会
  • 活動
  • リンクナースとICT合同の会議は感染対策小委員会とし、原則月1回第3月曜日とする。
  • 病棟における感染対策状況の監視と報告を行う。
  • リンクナースは常に病棟の患者の臨床症状に注意するとともに、検査科からの結果報告とあわせ感染症発症を監視し、主治医と協力して院内感染と思われる症例があれば、直ちにICT及び本委員会に報告する。
  • 各部署の職員に対する感染症対策の周知徹底指導を図り、結果を本委員会に報告する。感染対策マニュアルに基づいて実施されているか、会議の内容を伝達するとともに、伝達内容が運用されているか部署内の状況を見る。
  • 構成メンバー

各病棟、外来、手術室(中央材料室)、血液浄化センター、健康管理センター、訪問看護、ME室、放射線科、リハビリ科、薬剤科、臨床検査科、施設課(勤務交替時、速やかに配置のこと)、ICTメンバーとする。

  • 本委員会の司会進行は専従の感染管理認定看護師が遂行し、議事録作成はICTメンバー(主に臨床検査技師)とする。

 

第4 院内感染防止対策のための職員研修に関する基本的な事項

院内感染防止対策の為の基本的考え方及び具体的方策について、研修を実施する。

職員に周知徹底を行なうことで個々の職員の院内感染に対する意識を高め、業務を遂行する上での技能やチームの一員としての意識向上を図る。

また研修内容は、病院の実情に即した病院全体に共通する内容で、職種横断的な参加の下で年2回以上、定期的に開催する。研修実施内容(開催日時、出席者、研修項目等)について記録しておく。

感染制御に関連した研修・学会等の参加について「2014年改定医療関連感染制御指針」に準じ、施設外研修を適宜施設内研修に代えることも可とする。

 

第5 感染症の発生状況報告に関する基本方針

院内感染発生状況についてサーベイランス組織をつくり、発生患者の検索、記録、分析及びフィードバックなど

の事業を推進する。

重大な問題が発生した場合は、臨時で院内感染対策委員会を開催する。また院内での対応が困難な事態が発生した場合や発生が疑われる場合は、地域の専門家等に相談する体制を確保する。

 

第6 患者様等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針

本指針はイントラネットを通じて全職員が閲覧できる。

また病院ホームページにおいて、一般に公開する。(随時変更)

 

第7 その他院内感染対策推進の為に必要な基本方針

  1. 院内感染対策防止マニュアルはイントラネット上に配信する。(全配信準備中)

全院内感染防止対策マニュアルは、各部署に配置し職員は閲覧でき、感染防止対策を実施する。

  1. 血液媒介感染予防(曝露後の対応)ガイドラインは院内感染防止対策マニュアル「針刺し対策マニュアル」に記載され、曝露後の対応について確認することができる。またアウトブレイク発生時も同マニュアルの「アウトブレイク時の対応」にて確認できる。

 

(付則)

  1. この指針は、平成19年4月1日から施行する。
  2. この指針は、平成20年5月8日に改定された。
  3. この指針は、平成21年5月14日に改定された。
  4. この指針は、平成22年5月1日に改定された。
  5. この指針は、平成23年4月1日に改定された。
  6. この指針は、平成24年3月30日に改定された。
  7. この指針は、平成26年3月1日に改定された。
  8. この指針は、平成27年3月19日に改定された。
  9. この指針は、平成27年7月24日に改定された。
  10. この指針は、平成28年2月17日に改定された。
  11. この指針は、平成30年4月1日に改定された。